就職。


出所後、元受刑者がぶち当たる最初の壁。



受刑中から知り合いの所で働くことが決まっている人は少数。ほとんどの人が仕事は決まっていないまま出所となるわけで…。

他にも最近は日本財団の「職親プロジェクト」なんていう動きも出てきて徐々に「元受刑者を雇おう!」っていう企業も増えてきているみたい。

ただ、実際にそういう企業に就職できる人は出所者の0.1%もいないでしょう…。

さらにいえば刑務所内にときどきくる求人広告で条件をみると

「週6日で総支給13万」とかのものがザラ

それならバイトをがっつりした方がナンボか稼げる。

自分の場合は、ありがたいことに学生の頃にバイトしていた会社の方が声を掛けてくれなんとか就職できました。

しかし、給与の面で転職を決意することに。

そして現在はその方の紹介で他の会社で働いています。


出所したての頃はまあ色々調べましたよ。

Google検索、Yahoo!知恵袋、教えてgoo、2ちゃんねる等々…。

「元受刑者 就職」「前科 就職」なんかで。

みんな色々なことを言っており、参考になるものもあればならないものも多々あり。住んでいる地域や周囲の環境によっても違うとは思うけど。


そこから学んだのは、元受刑者の就職は大きく2つのパターンに分かれるってこと。


①「前科を隠さず就職する。」


②「前科を隠して就職する。」



①について

(1)「協力雇用主制度」

自分は利用していませんが、ハローワークに行けば「協力雇用主制度」という、「前科のある人を雇っている企業を紹介してくれる制度」があります。

ただ、このルートで就職した人の話ってほとんど表に出てきてないし自分自身が経験してないから、よく分かりません。


(2)普通に面接で正直に打ち明けるパターン

もあります。

だけど、

このパターンで受かる可能性は限りなく低いと思います


というのも、自分自身が転職を決意した後、最初このパターンで面接に臨んでいたから。

当時はとにかく月20万ぐらいは稼ぎたかったので、給料が良くて常に人不足、学歴・経歴不問。さらにはサイトで前科者が就職できる数少ない職種といわれている「パチンコ業界」に狙いを定めて猛アタック。

結果、全敗

面接のときは「色々大変だったね、応援するよ。」なんて言ってくれる人もいました…。

ただ、蓋を開けてみると、

「貴意に沿うことができませんでした。」通知のオンパレード

覚悟していたとはいえ、それまでの人生で面接に落ちたことのない自分はけっこう凹みました…。

「週7日でも、残業でも、どの時間帯のシフトでもOKです!」っていったのに…。
求人には「急募」って出てたのに…。
正社員じゃなくてバイトの募集やのに…。

前科の威力を思い知った最初の経験として心に刻まれております!!



次に②について

「じゃあ、前科を隠して就職すればいいんじゃない?」

ってことになりますよね。ネットや掲示板でも元受刑者のコメントはこの意見が多数を占めていた気がする。

ちなみ

「経歴詐称で逮捕されることはない」

です。これって結構勘違いされてるみたい。弁護士や警察も言ってたぐらいだから。

じゃあ、

経歴詐称のデメリット
は何なのか?

それは

「経歴詐称(=前科)がバレたらクビになる可能性がある。


ってことに尽きます。会社規則にそれが定められていたら一発でアウト、らしい。まあ当然といえば当然のような気がしますが…。

あとは本人がどこか「うしろめたい気がする。」「嘘をついて働かなくてはいけない」ってことがネックかな、と。




いままでの話をまとめると…


・元受刑者が前科を隠さずに就職するのはかなり困難である。

・もし仮に就職できたとしてもかなり労働条件の悪い企業である可能性が高い。

・なので、普通の企業に就職したければ前科は隠しておいた方がよい。


だから、結局紹介以外で就職するなら

「経歴詐称は避けられない」

と思った次第。


ちなみに、

刑務所の仮釈放前の就職支援担当や、出所後の保護観察官に相談しても時間の無駄です。

※以下、実際に自分が経験した会話。


・職員「履歴書に前科を記載する必要はないから。」

・自分「空白期間はどうするんですか?」

・職員「まあ、そこが難しい所だよね。刑務所でしていた作業の内容を書くとか…。」

・自分「突っ込まれたら100%ごまかせないと思うんですけど。というかそれって結局は経歴詐称することになるんじゃないですか?」

・職員「う~ん、、、。」

・自分「じゃあ、今まで出所して前科を隠して就職した人たちはどういう風に履歴書を書いてたんですか?」

・職員「詳しいことは分からん。そこまで把握してないし、それに他の人のことは話せん。」



………、「は?」



こんな具合。正直どうでもいいんでしょう…。まじクソ。

ひたすら時間の無駄。

もしハローワークから就職された方がいたら、どういう流れで就職したか是非教えて欲しいです!!



こんなことを書いてると、どこからともなく声が聞こえてくる気が…


「元受刑者が偉そうに仕事を選ぶな!」

「今は普通の真面目に生きてきた人間でも就職難、ワーキングプアの時代だぞ!」

「そういう制度があるだけでもありがたいと思え!」



……、はい。

そのことは十分に理解しています。


そういうことは大前提で、自分がこれまで悩んだことや経験したことが少しでも他の人の助けになればと思ってこの記事書いています。

自分自身、今の仕事は前の仕事より給料は上がったものの3K(危険、キツイ、汚い)まっしぐらの仕事…。

小学校の卒業文集とかにある「将来の夢・なりたい職業」にはまず出てこないような仕事といえますね。


 
ちょっと話がそれましたけど、出所後の就職に関しては以下のような選択肢が現実できだという結論に現在いたっております。

①前科を隠さずに、協力雇用主制度を利用して就職。

…もし労働環境の悪いところにしか就職できなくても、「それも含めて自分の犯した罪」と割り切る(次にステップアップできるように何か手に職をつけるものであれば尚いいですね。)


②前科を隠して就職し、ひたすら現場で結果を出す。

…ともかく雇ってもらわないことには話にならない。

少々の経歴詐称はやむなしとしてとにかく現場で結果を出す。(半年~1年ぐらいかな?)そしてその企業で「必要とされる人材」となること。

そうなってから徐々に「実は…」みたいな感じでカミングアウトしていけばいいんじゃないでしょうか。こういうのは規模の小さい社長までの距離がほとんど無い会社の方が有効な気がします。


③人脈をフル活用してとにかく仕事を紹介してもらう。

…恥も外聞も関係ない。

とにかく紹介してもらい、そこで頑張る。

だけどこのパターンには「紹介者の顔を立てること意識しすぎて、もし最悪な職場でもかなり辞めづらくなる。」というしがらみ関係のデメリットがありそうですね…。

もし、「お試しで数日間だけまず働いてみる。」とか、実際の職場を先に経験させてもらえたら、かなりリスク回避にはなると思います。


自分の場合は社長(元働いていた会社と今働いている会社の社長同士が友達)と面接担当の2人にしか前科のことを話してないので、②と③のミックスになるのかな?



以上が自身の経験に基づいた、独断と偏見による元受刑者の方たちへの就職アドバイスでした。


この記事が、もしたった1人だったとしても、元受刑者の方の就職の力になれば幸いです。


それでは、今日はこの辺で。イノシシでした。



【追記】
読者の方から、「ネット上での前科記事の削除方法について」のコメントがありました。ケースによって様々らしいですが、詳細は本記事のコメント欄を参照してください。