受刑中から色んなビジネス書やノンフィクション本で引用されていた本作。

本日ようやく鑑賞を終えました。


一言。みなさん、必見です。



 作品紹介



es[エス] [DVD]
モーリッツ・ブライプトロイ
ポニーキャニオン
2003-01-16


以下、「Wikipedia」より引用(実話が元になってるんですよっ!)

この映画は1971年にアメリカのスタンフォード大学で実際に行われたスタンフォード監獄実験を元にしたマリオ・ジョルダーノの小説『Black Box』を原作とし、ジョルダーノ本人が脚本作成に加わっている。

 

 ざっくりあらすじ

以下、「Yahoo!映画」より引用

スタンフォード大学心理学部ではある実験をするため、被験者となってくれる男性を公募した。集まった20名ほどの被験者は無作為に「看守役」と「囚人役」に分けられ、学内に設けられた模擬刑務所に収容された。初めはそれぞれの役を演じるだけの簡単なアルバイトと誰もが考えていた。しかし、実験が進むうち、「看守役」の攻撃的な振る舞いはどんどんエスカレートしていく。それに対して、「囚人役」は卑屈に服従するのみで、まったく抗議できなくなっていく。いつしか、模擬刑務所内は単なる実験の枠組みを越えて、もはや誰にも制御不能の状態に陥っていく……。

 感想

最初に言っときます。


この映画、「後味最悪です。」


救いがあるような無いようなラスト…。まあ、ぜひ自身の目で確かめてください。

ただ、それでも見る価値ありの1本。ビジネス書10冊分ぐらいの学び。

もう色々書きたいことありすぎて困ります。以下は自分が気になったポイントをいくつか紹介。



①人は環境にカンタンに左右される

…この映画のテーマの1つだと思いますね。
作中では「看守役」と「囚人役」という明確な役割とそれに伴う権限が最初から与えられています。
そこから時間が経つにつれ、言葉使いや服装、態度までが
「与えられた役割」に徐々に近づいていくんです。
しかも、「真面目な人ほど」そうなりやすい。
そしてこの環境が人を変えていくときキーワードは「徐々に」ってとこ。
もし初日からいきなり看守役が囚人役に殴りかかったら暴動が起こると思います。
けど、毎日毎日「少しずつの度重なる服従」が続くと、いつしか本人も気づかないうちに自分のセルフイメージが書き換えられちゃうんですね。その結果、看守側は行動がエスカレートしていき囚人側はそれを受け入れてしまう…。「ちょっとずつの、”まあいいか。”」って怖いですね…。


②考えることを放棄すると最悪の結果を招きかねない

…昨日の書いた記事「学習性無力感」。最高の教材が本作。ここで注目してほしいのは「囚人役」だけでなく、「看守役」にもその傾向が顕著に表れていること。一見色々と策を練っているように見えますが、実は「そもそもこの実験は何のためにしているのか?超えてはいけない一線はどこか?善悪の判断は?」という根本的な問いに対しては一切何も考えていません。「ルールを守る」。それが看守役の最優先事項になってしまっており、目的と手段が完全に逆転していることにすら気づいていません。何か問題が起こっても、「ルールだから」の一言で全て片づけしまうようになっていきます。(看守側は「学習性無力感」というより「認知コストの最適化」ですね。※後述)


③心理学のテキスト映画としても見れる

…心理学的要素がいたるところにちりばめられています。

「学習性無力感」
 ・昨日の記事参照。
「認知コストの最適化」
 ・人は考えることに多大なエネルギー(コスト)を使うため、なるべく物事を深く考えないようにしてエネルギー(コスト)を省エネ運用(最適化)するようになる脳の本来の仕組み。学習性無力感とセット。
「集団極性化」
 ・ある一つの考え方だけしかない集団は、極端な行動をとりやすい。
「役割演技」
 ・人は役割を与えられると、その役割をまっとうしようとし、それにふさわしい立ち振る舞いをするようになる。

等々。いまざっと考え付いただけでもこれぐらいでてきました。本当に、ビジネス書10冊分ぐらいの濃い内容です。


④その他、設定等

…ただ、今の日本でまずこのようなことは無いと思います。もちろん映画だから内容を刺激的にするため、実際よりも話を「盛って」いることはいなめません。あと、自分が経験してきたことを比較すると、映画の中の建物の作りは「刑務所」っていうより、「警察の留置場」の方に近いと思いました。留置場って、基本的に「一時的に身柄を預かる場」なので、「生活する場」として建てられている刑務所よりもずっと生活しにくいんです。



 まとめ

人は環境にカンタンに左右される。(=誰しもが犯罪者になる可能性を秘めている。)

・また、考えることを放棄した人間は、悲惨な結果を迎える。

・ただ、今の日本の刑務所に関していえばこの映画のようなことが起こるとは考えにくい。

・その他、心理学のテキスト教材としても有用。(もちろん犯罪者心理を理解するにも)


 最後に

この映画を観終わったとき、ほとんどの方が思うはずです。



「もしかしたら、自分も犯罪者になる可能性がある。」



ということを。

自分自身、逮捕されるまでは前科前歴どころか補導歴も無いふつうの(?)一般人でした。
ただ、ちょっとしたことをきっかけに、気が付けば引き返せない所まで足を踏み入れてしまい、今があります。

この映画を観れば、自分の伝えたいことが少しでも理解していただけると思います!



もう一度言いますよ、




みなさん、、、、必見です!!