【イノシシ獄中日記⑥】


センター生活も一週間が過ぎ、自分よりも新しいメンバーなんかも入ってきたり。

徐々に生活のリズムにもなれ始めた頃。

突如としてそのお告げはやってきた…。


「イノシシ、残房。」


(※「残房」=作業のために工場に行くのではなく、そのまま部屋に残ること)

「しゃあ~!今から作業じゃい!!」

なんて意味不明な気合を入れていた朝一、部屋で歯磨きをしていると担当刑務官からいきなりそう言われました。


「なんで??!懲罰??!」(゚Д゚≡゚д゚)エッ!?


自分はもちろん、部屋の中の他のメンバーも戸惑い気味。

で、どうなったかというと


「高知刑務所へ移送」(再び)


です。

理由は、


「検察側の証人として裁判に出廷するため。」


っていうのも、

共犯の1人(A氏)と、他の共犯達(自分も含む)の主張が異なっているからなんです。
(事件についてA氏は否認、自分達は認めている)

だから、


「おい、お前ちょっと裁判に来てこいつ(A氏)が事件に関わってたっていう証言しろや。」


って裁判所から命令されたみたいな感じ。

まあ、ハッキリいって


「超絶気まずい&メンドくさい」


だって

「なんで高知まで裁判しにいくためだけに移動せないかんの?」

って話やし、

「なんでこっちは正直に全部ぶっちゃけたのにまた裁判行かないかんの?」

って話で。

しかも相手は否認しているということは、あることないことを書き連ねた相手側の調書を元に反対尋問で「あーだ、こーだ」言われる可能性が大。

逮捕されて主張が違うとはいえ、これまで一緒にやってきたのも事実…。

自分は間違ったことはしていないとはいえ、見方を変えれば「口を割った」ってことにもなるわけで…。

気まずいですわね。('д` ;)

単独犯じゃない、共犯がいる事件のややこしい所はこういうとこにもあるんです。

それは逮捕されて懲役が終わってからも続くこともある…。

下手に「逆恨み」なんてされたらタマッたもんじゃないっ!!

(※実際A氏は保釈中にあることないことを色んな所で色んな人に吹き回っていたようで…。マジ勘弁。)


まあ言うてもしゃあない!(`・ω・´)

自分がやったことだもの。最低限の責任はとらなきゃいけません。

なんやかんやでセンター生活は一週間でひとまず終了。再び高知刑務所の未決区で作業をする日々が始まりました。

裁判当日までには担当検事がきてわざわざ刑務所まで来たり、こちらから検察庁まで行ったりと事実確認と軽い打ち合わせ。

(あっ、そういや作業が終わった後の夜とかにも来てましたね。検事って勝手に「定時出勤の定時退勤のイメージ」があったので少しびっくりしました。受け持っている事件の数によっても左右されるようで…。意外と(?)働いていらっしゃるのですな。)

ざっくり言うと、


「相手はこんなこと言ってるみたいだけど、イノシシ君どう?」

「こういう質問きたらどう答えるの?」

「じゃあちょっと本番の流れでやってみようか?」


っていう感じ。

まあ、ある程度は検事が流れをつくってくれるんで、僕はそれに答えるだけ。


よく勘違いされているみたいなので補足しておきますが、裁判ってあらかじめ流れは決まってるんです。

「今回の裁判はココとココに対して質問します。」とか「大体こんな質問が来ると予想される。」

みたいに。

それを自分の弁護士(今回の場合は検事)とあらかじめシュミレーション・打ち合わせをして本番に臨む。


だからほとんどのことは「想定の範囲内」


よくテレビで見る「異議あり!!」「弁護人は口を慎むように!!」なんていう言葉、僕はほっとんど聞いた記憶が無いです。


あっ、あとの裁判所に召喚命令されたときって「時給が発生する」って知ってました?

しかも「1時間2000円」とか結構いい値段。

当時、自分が1か月作業して稼いでいた金額(作業報奨金)は「1000円未満」なので、「当時の月給を30分で稼ぐ」という摩訶不思議な現象が起こってたり(´・ω・`)



そんなこんなで中々一筋縄では行かないイノシシの受刑生活。



「超絶気まずい証人出廷」の結果はいかに?!

法廷



(続く)