【イノシシ獄中日記⑦】


ということで、迎えた証人出廷。


久しぶりの法廷に懐かしさすらも覚えつつ、「どんなにシュミレーションしてても緊張はするもんやな…。」と実感。

本番では「主観を交えず事実のみ」を意識して淡々と証言。(※このポイントが裁判では超重要!!ある種「揚げ足の取り合い」なので…。)


当日の朝は

「もし裁判中にトイレになったらどうしよう?」

「もし全然想定していなかった質問が飛んできたらどうしよう?」

なんて思ってましたが、それらは全て杞憂に終わりました。



完全に想定の範囲内の流ればかりだったので(´・ω・`)



正直、あちら側(自分とは主張が違っている共犯:A氏の弁護側)の言い分はかなり苦しかった…。

反対尋問でやることといえば「あなたのこの調書と先ほどの証言、若干ズレがありますよ?」っていう重箱の角をつつくような内容や、意図のよく分からない質問ばかり。

いわゆる「詰んでいる」状態。

僕自身、証言していて「何でこの人は否認しているんだろう?」って疑問にすら思いましたね…。

最終的には、「あの人にはあの人の考え、生き方があるんだろう。」っていう結論にいたりましたが。

相手のアタマの中や行動までコントロールすることなんてできないですし、そんなこと考えても時間とエネルギーの無駄!自分の人生の方に集中です!!



うしっ!!

高松に帰って早く最終服役先に行くぞ~


って意気込んでたんですが、そっから2か月ぐらいはそのまま高知刑務所の独居で延々と作業してました(^_^.)

何やら施設側の都合もあるようで。うまくいかないものです。


高松に戻った頃には工場も班長と計算工(この人達は高松刑務所の受刑者)と1人以外は前いたメンバーと全員変わってました!(大体みんな2~3か月で移送されちゃうんで)

「またイチからかっ!」

と1人ツッコミをしつつも、そのときの部屋のメンバーがけっこう「当たり」だったので、

「これもいいかな」

なんて思ったり。


こっからの流れは非常にややこしいので、これまでの受刑生活の流れとともに以下にまとめました。


【イノシシ受刑生活の流れ】

①裁判で刑が確定

②高知刑務所の拘置場(未決区)で作業(約2か月)

③高松刑務所の分類調査センター工場で作業(約1週間)

④高知刑務所の拘置場(未決区)で作業(約2か月)…共犯の裁判に証人出廷するため

⑤高松刑務所の分類調査センター工場で作業(約1か月)

⑥高知刑務所の拘置場(未決区)で作業(約2か月)…共犯の裁判に証人出廷するためPART2

⑦高松刑務所の分類調査センター工場で作業(約1か月半)


そうなんです。


僕、3回もセンター工場に行ってるんです。
こねくり回されてます。


マジで前代未聞のレアケース。

完全なるタライ回し。

受刑者ロンダリングここに極まれり。


3回目なんて班長とかも「また来た?ってか何してんの?」みたいなオーラすらあり、僕も僕で「あぁ、またここか。」っていう感じで完全に慣れきっちゃってましたね。

高知に帰ったら帰ったで衛生夫(未決区の受刑者の世話役)には「おかえり」なんて言われて「ただいまです!」なんて答えたり。刑務官からは「どうなっちゅうが?」と聞かれ「僕にもわかりません!」としか言いようがなったり。


ちなみにこれって言い換えると、「最終服役先で受刑する時間がどんどん減っている」ってこと。

その間ざっと「7か月半」

これって他の人と比べるとかなり長い。

後から分かるんですが割と「機会損失」だったんです!!

裁判所さんには


「証人出廷は1回で終わらせて下さい。お願いします。」(`・ω・´)キリッ


と強く希望するしかありません。



ってことで、話は最後のセンター工場(3回目)での日々に移ります。


これまでの記事で説明してきましたが、センター工場って「最終服役先までのつなぎの場」なので、会話も自然と最終移送先の話になってくるんです。


「四国で初犯やったら、やっぱ松山かな~」

「いや、もしかしたら奈良の小刑(少年刑務所)かもしれんぞっ!」

刑務所の中 香川



「っていうか、民間(社会復帰促進センターのこと)ってめっちゃいいんやろ?」

「でもあそこって罪名が軽犯罪のうえに刑期も短くて、その上かなり優等生じゃないと行けんっていう噂じゃない?」

刑務所の中 誰か


等々。


特に「社会復帰促進センター」という半官半民の刑務所(通称:民間)については色んな噂が飛び交ってました。


いわく、「扉に鍵がかかっていない」

いわく、「炊事工場(刑務所の炊事担当受刑者が集まる工場)が無くうまい弁当が民間企業から支給される」

いわく、「刑務官の付き添い無しに移動できる」

いわく、「パソコン使える」

いわく、「仮釈放がめちゃくちゃもらえるらしい」

いわく、「引受先が決まっていないと行けない」


数え上げたらきりがありません。

話だけ聞くと「もはや天国」のような場所な気が…。

まあ、刑務官の中には「あんなとこは刑務所やない!」なんて意味の分からんライバル意識(?)を燃やしている人もいましたけどね。


結局、「噂が噂を呼んでいるだけ」


自分は正直期待はしていましたが、「まぁ、行けたらいいかなぁ~」ぐらいで考えてました。


そんなこんなで遂にイノシシも最終服役先に移送されることとなり…。(移送1日前になると独居に隔離され、作業もしなくてよくなりますが、移送先は当日の出発前まで教えてくれません!)


そして3度目の高松刑務所で言い渡された最終服役先の名は、






「島根あさひ社会復帰促進センター」






………。








…………。










…………。









キッ、

ターーーーーーーーーーーーーーーッッッッッ!!!!!!(・∀・)

キター②

キター③

キター




きましたよ、ちょっとっ!!!


いや、ぶっちゃけかなり「行けたらいいな~」なんて思っていたわけで…

しかも「パソコン設備が充実していると噂の島根だったら一番いいな~」なんて思っていたわけで…


ほっとんどいい噂しか聞いていない、いわば「受刑者の天国」こと「社会復帰促進センター」

明日からは数回に渡って

「イノシシが体験した社会復帰促進センターの噂と実際。受刑者の立場から見えてくるメリットと課題」

みたいな感じで記事を更新していきます!(…の予定。予定ですよ!!)


自分自身、今まで色んな媒体で

「元受刑者による一般刑務所の体験談」

は見聞きしたことがありますが、

「元受刑者による社会復帰促進センターの体験談」

は一度として見たことがありません。


「えっマジで?これが刑務所っ??!」

って話から、

「いやいや、それ民間が入ってる意味無いやん!!」

って話まで。

縦横無尽に思いつく限り書きなぐっていく所存であります。


こうご期待!(・∀・)つ


(続く)



「次回」

イノシシ獄中日記、遂に「島根あさひ社会復帰促進センター編」がスタート!

真夏の島根でイノシシを待ち受けていたのは、今までの刑務所のイメージを覆す衝撃の数々であった…。