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先日、読者の方からとあるブログのことを教えて頂きました。
 

(参考リンク)日本財団会長 笹川陽平ブログ


この方のブログの6月17日付の記事「「再犯防止について」―職親プロジェクト―」についてです。

出所者の就労支援策である「職親プロジェクト」の現状について、厳しい現状とその数字が記載されていました。



日本財団と企業が協力した『職親プロジェクト』は、少年院、刑務所で求人活動を行い、企業が職場を提供する。

2013年2月の立ち上げ以降、この2年間で157人の応募者に対し、27人が雇用を前提に就労した。しかし、6カ月の就労体験(日本財団が毎月8万円の支援)を経て職場に定着したのは、わずか3人にとどまる。
 

企業に毎月8万円の支援を行っているにも関わらず、残ったのは27人のうちわずか3人。9人に1人の割合です。パーセントにすると、離職率約89%です。新卒の3年離職率が約30%ということを考えれば明らかに異常な高さで…。
 

さらに本ブログでも紹介している「千房」の中井社長も最近のインタビューでその厳しい現状を語っています。
 

(参考リンク)千房・中井社長 一軒のお好み焼き屋から3業態でチェーン62店に


 
「これまでに21人を採用し、現在働いているのは5人。社員になったのは6人。今年は初めて女性受刑者も採用することに。とにかく一刻も早く、社会復帰できたというモデルケースを作りたい。具体的には、店長になるということ。そうなればしめたもので、そのことを目標にみな頑張るでしょうから。

これまでも立ち直ってくれたなと思っていると、無断欠勤や失踪、店の売上金の持ち逃げとかで、裏切られた思いをしたこともあった。でも、気長に取り組んでいくつもりです」
 

千房では「職親プロジェクト」以前の6年前から元受刑者を開始しています。(現在はプロジェクトの中心企業として参加)

退職の理由が悪いものばかりとは限りませんが、「21人中5人」という数字は離職率でいうと76%「職親プロジェクト」平均よりは低いものの、全国平均からすると軽く2.5倍。
 

「無断欠勤や失踪、店の売上金の持ち逃げ」たぶんこういったことは一度や二度じゃないんでしょね…。逆にいえばそれでもこの活動を続けている中井社長には頭が上がりません。
 

「退職した」=「即再犯」ということはありませんし、もしかしたら次の職場でうまくやっているのかもしれません。
 

しかし、一方でこの職親プロジェクトで就職したのは「157人から倍率5.8倍の壁を通り抜けて選ばれた27人」なわけです。
 

僕が実際に目にした求人も「初犯の者のみ」「薬物や性犯罪、強盗、放火、殺人を除く」などのしばりのある企業がほとんどでした。
 

そういった「ある程度ふるいにかけた上で、さらにふるいにかけた元受刑者たち」でこの有様という現実。
 

たしかに一度や二度の面接でその人の内面や本性がわかるわけありません。面接のときは本気だったとしても、実際に働いてみるとそのギャップに打ちのめされるかもしれない。もしかしたら職場で嫌がらせやイジメにあったかもしれない。

でも、それでも、この結果はちょっと「こいつら(バックれた元受刑者たちのこと)何してんの?」って気持ちが正直あります。
 
 

日本財団も千房もこれから引き続きこの活動は続けていくようです。
 

この「職親プロジェクト」の目的や活動内容時代は本当にすばらしいですし、僕たち元受刑者にとっては非常にありがたいこと。チャンスをものにできる人間がいる限り、僕も続けていくべき、というより続けていって欲しいです。
 

ただ、僕はこれらの数字を見て思うんです。

 

「支援というやり方」の限界が来ているのではないか、と。

 

以前にも記事にしていますが(参考記事:お涙頂戴の限界)、「当事者」=「元受刑者たち」が自ら何かをしようと動きださなくてはいけないと思います。

無意識のうちにどこか「社会が助けてくれる」みたいな考えでは、たぶんそれの行き着く先は「依存」。
 

「与える側と与えられる側」ではなく「当事者自らが声をあげ進んでいく中で、賛同者が現れ手伝ってくれる」そんなイメージ。
 

かくいう自分も何かこれといった明確な案があるわけではないですが…。
 

世の中的にはほぼブラックボックスといってもいい「元受刑者の生態報告」的な役割もこのブログにはあるのかな、と思ったり。
 

実際にこのブログを始めてからというもの、予想よりもはるかに多くの理解してくださる方たちが現れ、僕も本当に救われています。
 
 

まずは、自分にできることを。精一杯。


僕の一歩が、もしかしたら誰かの道標になるかもしれない。

 

だからこそ、けもの道をいこう。