すごいの、見つけちゃいました。
  

ここまでエグるか〜ってやつ。

 

ギャングース(1)
肥谷圭介
講談社
2013-10-25

 以下、Amazonより引用


※この漫画は実話を基にしたフィクションです。しかし犯罪の手口はすべて実在しますので、ぜひご注意(防犯に役立てて)下さい。

2012年全国特殊詐欺被害件数8739件、被害総額363億円――過去最悪。 虐待を受け、学校も行けずに青春期を少年院で過ごしたカズキ・サイケ・タケオの3人は、犯罪者だけをターゲットにした“タタキ”稼業を開始した! カズキ(キモオタデブの工具の天才、リーダー)、サイケ(イケメン、情報分析・ターゲット選定担当)、タケオ(怪力の巨人、車両機動担当)の挑戦が今始まる!!!
 
いやね、マジですごいですよ。 

それじゃあ早速いくつか気になった点をご紹介!

 
 

①「ヤクザ」と「半グレ」の違い
 

 「江戸時代」から「戦国時代」へ。

 
現代を時代に例えて非常にわかりやすい解説をしてくれてます。

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  ま、まじかよ…。

 

僕こっち系全っ然詳しくないんですけど、刑務所で話したことのあるオレオレ系で捕まった人から聞いた構造と本当に似てます。この図でいえば「ドサ」の人と「番頭」の人ですね。


「秘密を守らせるなら、そもそも教えないこと」
 

の言葉通り、本当に上と下とで何層にも分断されてて、下っ端の人間はトップどころか番頭が誰なのか顔はおろか名前さえ知らないそうで…。



 

②彼らの「矜持」

 

まあ本を読んでもらったら分かると思うんですけど、主人公を含めメンバーの生い立ちはかなり悲惨です。


その中で、生きていく手段として「犯罪」を選んだ。 

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相手が犯罪者であろうと、その元の社会で普通に生活している一般人から搾取されたもの。巡り巡って、彼らも一般人搾取しているということになる…。


けど、何かその中にも彼らのプライドというか「矜持」を感じずにはいられません。


「生きてやる。這い上がってやる。」


って気持ち。

「娘のことを助けて!」と泣きながら叫ぶ母親に対しては…

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自分が憎むべき世の中に対しては、
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「だから俺が変えてやる」って。

この気概がカッコイイじゃないっすか。

 

③「黒人(ヘイレン)」という存在

 

それは「戸籍上存在しない人間」を意味します。

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いうなれば、「殺されても分からない存在」であり「犯罪を犯しても誰なのか分からない存在」

 

まさにアンタッチャブル。

 

極端な話、彼にとって犯罪は「怖くない」んです。「身元が割られようがない。」から。作中にもありますが、ヤクザのように「相手の顔を立てて仲介」のような行動よりも「利益に対して徹底的に合理的」な行動が多いそう。そのためなら殺人もいとわない。「殺す方がリスクが少ない」と。
 


 

④洗脳まがいの地獄の研修

というか、これ普通にブラック企業の研修とかにあるやり口だと思うんですけど…。

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ありそう…。 

さらには、
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「クソ垂れ流せ」いただきました。
 

これって、カルト宗教団体の洗脳手法に非常によく似ているんですよね。
 

  外部との連絡が遮断された非日常の閉ざされた空間で、

  その緊張状態での極限までの疲労させ、

  体力と思考力を奪ったうえで、

  徹底的な罵倒とその後の圧倒的な肯定により、

「それが正しい」と思い込ませる。


いくら意思が強い人間であっても、これに耐えられる人は少数派だと僕は思います。というか、人間は生きていくために本能的にそうなるものだと。


さらに本書では「見ず知らずの人からお金を騙し取る」ことへの良心の呵責に対してのアプローチも描写しています。


「お前らが悲惨な生活を送っているのは金がないせいだ。」

「そんな状態に誰がした?」

「今のジジババ世代だ。」

「そいつらは今のうのうとタップリ蓄えた貯蓄でのんびり生きてやがる。」

「お前らが騙し取った額なんて、そいつらからしたら“かすり傷”ぐらいのもんだ。」

「だから遠慮なくふんだくれ。お前らがのし上がるために。」

 

と。

 

一見超自己中心的な話ですが、生まれたときから苦渋を味あわされてきたのであれば、正直「じゃあいいか。やってやる!」となる人がいてもおかしくはないかと…。

 

現在の犯罪組織は「単なる精神論」だけではなく「効率的な育成ノウハウ」が存在しているんですね。

 

その能力をぜひプラスの方向に活かして欲しいものです…。 


 

⑤まとめ「臭いもの蓋をしないからこそ見えてくるもの」

 

この漫画はその手口がリアルすぎるという理由から、賛否両論があります。

 

「実際にその手法を真似する輩が出てくるのではないのか?」

 

と。しかし、著者の方が言われているように、これは

 

「防犯漫画として活用すべき」

 

だと僕は思います。道具は道具でしかありません。包丁だって人を刺し殺すこともできますが、おいしい料理をつくることもできる。

 

だから、

 

「臭いものには蓋をする」のではなく「臭いものに蓋をしない」からこそ我が身を守る「道具」として活きてくる。

 

危ないから、やばそうだから、ではなくて、ちゃんと知り理解する。その上で自分の「盾」として使う。

 

これがベスト。

 

この漫画を多くの人が「未然に犯罪から身を守る道具」として使ってくれることを願います。

 

ギャングース(1)
肥谷圭介
講談社
2013-10-25


 

それではこの辺で。

 


 

けもの道をいこう。