
(見た目はちょっと「ふわっ」とした雰囲気の方。)
読者の方と、お会いしてきました。
「生身の相手を知ることの大切さ」再確認。
その方(見かけによらず結構ずんずくるので「Zさん」としましょう。)はいわゆる「LGBT(=レズ、ゲイ、バイ、トランスジェンダー)」の「バイ」の方。難しい言い方をすれば「性認識(自分はこういう性別だと思う気持ち)」は「男性」で、生物学的には「女性」。
もっと砕いた言い方をすれば「心は男性、体は女性」という方です。
僕はこれまでこういう話を聞くと「超ボーイッシュな人」を想像していました。何というか、「宝塚の男役」(深い意味は一切ありません!)のような…。「バシッ!」「サバサバッ!」みたいな。
もう一ついえば「バイの人は男女関わらず"毎日"全員が恋愛対象」のイメージ。
そんなイメージを抱いてた僕に、その方から聞かされた一言がとても心に腹落ちしまして…。
「 LGBTはグラデーションなんです。」
あぁ、と。先の紹介でZさんを「心は男性で体は女性のバイの方」という表現をしました。これ、よく見ると矛盾してませんか?「心が男なら、恋愛対象は"女性"のはず。なのになぜ"バイ"なの?」と。
僕も最初意味が分からなかったんです。でも、その人の話をよくよく聞いていると本当に「グラデーション」らしくて…。
「今日は男の気持ちが強いな」とか「今日は少し女よりだな」
といった具合に「性認識(=心の性別)」も「日によって少し変わったりするみたい」で…。衝撃、ですよね。「えっ、日によって変わったりするんですか?Σ(`□´/)/」ですよ。だから、基本は女性が恋愛対象でも場合によっては男性が対象になるときもある。
それまで僕は、
・「ゲイ」とは「男性が好きな人」
・「レズ」とは「女性が好きな人」
・「バイ」とは「男女ともに同じぐらい好きな人」
という考えでした。これが、この話を聞いて、
「個人差がある」
という当たり前の事実に気づいたんです。いや、本当に当たり前なんですけど、今更ながらに気づいてしまったんです。はい。その「個人差」こそがいわゆる「グラデーション」。肉食系もいれば草食系もいる。全員が全員マツコさんでもピーコさんでもIKKOさんでもない。ここである疑問が浮かび上がってきます。それは、
「なぜ、そんな当たり前の事実を再確認することになったか?」
これって、思うに
「知らないこと」を「知ったふうに思っていた」から
じゃないかと。要するに僕の周りには、これまでいわゆる「LGBT」よ呼ばれる人たちがいなかった。いても気づいていなかった。(※ちなみに以前みた記事で「LGBTの人は人口の7.6%いる」という数字を目にしました。13人に1人の割合。この数字の正確さがどれほどがはよく分かりませんが、もし正しいとするならばクラスに2~3人いる計算になります。)
(参考リンク:電通ダイバーシティ・ラボが「LGBT調査2015」を実施)
だから、僕からすればそういった人たちって、
「よく分からない存在」
なんですよね。で、そういったときに便利なのが
「カテゴリー(ジャンル)分け」
ゲイはこういう人、レズはこういう人、バイはこういう人、みたいな。ゲイ=オネエ系のようなステレオタイプ。そうすることによって人間が頭の中は勝手に整理されて「知ったつもり」になってしまうんじゃないかと。「あぁ、そういうことね。」みたいな。だって人間「分からないことは不安になる」じゃないですか。僕、死ぬのが怖いのって、突き詰めていくと「その先どうなるか分からないから」だと思ってますし。
こういう「勝手に知ったつもりになっていたLGBTの人たち」が僕の目の前に「個人の生身の人間」として現れたことが、今回僕の中で本当に新鮮でした。
今思えば、僕みたいな「元受刑者」もそういう存在にあたる気がします。
「俺は東京生まれヒップホップ育ち〜!悪そうな奴は大体トモダチ〜!」みたいな人が多い気がするじゃないですか。ゴリッゴリの。でも、実際に刑務所に行ってみるとそんなことはない。「近所のおじさん」的な人、いっぱいいました。なるほど、そういうことか、と。
ステレオタイプではなく、実際に「生身の相手」を知ることで変わる価値観。
身を持って、自分に置き換えながら学ばせていただきました。
例えていうなら、
「怖いものは見ないようにする」のではなく「それは本当に怖いのか自分の目で確かめてみる」のが大事。
「誰かが怖いと言っていたから」ではなく「自分の目はどう感じるんだろう」ですね。
そしたら案外怖くなくてめっちゃいい楽しいかもしれない。「噂と全然違うやないかいっ!」てね。
情報だけで知った気にならない。
肌で感じて分かることがある。
僕は、そういうことを身をもってしていきたい。
Zさん、ありがとうございました。
それでは、この辺で。けもの道をいこう。
それでは、この辺で。けもの道をいこう。