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無期懲役。

終身刑の無い日本においては死刑に次ぐ重罰。日本における有期刑(刑期が◯◯年と定まっている刑罰)は「30年」が最長なので、建前上はそれ以上の刑期ということになります。(ちなみに28年食らった人と一緒の部屋になったことがありましたがパッと見スーパー普通の人でした。)

しかし、この無期懲役について色々と世間の誤解があるようです。というか、僕自身が誤解してました。仮釈放に関しても「早ければ15年で出てこれる」みたいな勝手なイメージがあったり。たぶん昔の小説か何かで「あんな凶悪犯も15年したら娑婆に出てくるんだよな…」みたいな描写があったような、なかったような。

その他にも「終身刑との違い」などを自身の備忘録的な役割も含めまとめておきます。



①終身刑と無期懲役の違いは?

法務省に尋ねたという記事から引用させていただきます。


日本の無期懲役刑とは刑期の定めがない刑のことで、法律的には、"改悛の状"がある時、少年法の例外を除けば10年を経過した後、仮釈放が許される可能性がありますが、その場合であっても一生の間、保護観察に付されます。

ふむふむ。「無期」とはいうものの、一応仮釈放の可能性はあるということです。ここまでは僕知っていました。引用を続けます。


「海外には、恩赦などの例外を除き、社会復帰のない絶対的終身刑を持っている国もあるようです」(中略)

ちなみに海外における終身刑には、この絶対的終身刑と、日本の無期懲役と同様に仮釈放の可能性がある相対的終身刑の2種類があるのだそう。無期懲役と相対的終身刑はほぼ同じ意味合いだ。

(参考記事:無期懲役と終身刑はどう違う? Exite Bit)

「相対的終身刑」と「絶対的終身刑」何やら小難しい言葉が…。

早い話が「相対的終身刑」=「無期懲役」。「絶対的終身刑」=「世間一般の終身刑」ということみたいです。引用部で「10年を経過すれば対象になる」とありましたが、実際のところどうなっているんでしょう。(ちなみに元記事では平成18年度版の犯罪白書を引用していましたが、データが古いためこの記事ではH26年度版犯罪白書から引用しています。)

「相対的終身刑」の受刑者達を描いた本(映画もあります)では以下の「ライファーズ」が有名ですね。

坂上 香
みすず書房
2012-08-21


ちなみに以前に記事も書いてます。

(参考記事)前科100犯でも更生できる??!ライファーズとの出逢い 


②無期懲役囚はいったい何年経てば仮釈放されるの?

ということで以下、平成26年度版犯罪白書からの引用です。


・H21年…総数:6人(30年以内:3人,35年以内:2人,35年を超える:1人)
・H22年…総数:7人(30年以内:2人,35年以内:2人,35年を超える:3人)
・H23年…総数:6人(35年以内:5人,35年を超える:1人)
・H24年…総数:4人(35年以内:4人)
・H25年…総数:8人(35年以内:8人)

このような結果になりました。この統計は5年ごとに区切られているため「35年以内」=「30年より上で35年以内」という意味です。うぅん…。まぁ明らかにわかるんですけど、

「無期懲役囚は15年で娑婆」は紛れもない都市伝説でした。

一応過去をさかのぼってみると、昭和40年~50年代は総数で50人とか60人はザラで、「15年以内に出所した人」も20%~25%とかなり多かったようです。今となっては都市伝説ですが、当時はあながち間違いではなかったんでしょう。ただ、平成になるとガクッと総数も減り10人台から下が目立ちます。再犯率の増加もその原因の一つかもしれません。

ここ数年の傾向をみると無期懲役囚が仮釈放をもらえる平均服役年数は「30年~35年」ぐらいでみておくのが妥当という結論に至りました。



③まとめ

ということで、以下まとめ。


・終身刑には「相対的終身刑」と「絶対的終身刑」の2種類がある。
・日本の「無期懲役」は海外の「相対的終身刑」と一緒の意味。
・10年経てば法律上は仮釈放の可能性が出てくるが、実際は「平均30年~35年」服役しないと仮釈放されない。
・「無期懲役でも15年経てば仮釈放」は昭和40年~50年代の話で今では考えられない。


やっぱり世の中そんなに甘くないんですね…。50歳で無期懲役ともなると、それはもはや「死刑」と同義語のような気もします。そもそも20代や30代で収監された人間が、いきなり釈放されてもそのときにはすで60代、下手をすれば70代。家族ももはやこの世にいない可能性も大いにあるわけで…。ここら辺はまた別記事に起こしたいと思います。


それでは、この辺で。

けもの道をいこう。