PAK93_taikusuwariatama20140322


「逮捕されると即刑務所」


世の中にはそう思っている人も少なからずいるのではないでしょうか。しかし、痴漢で逮捕されただけで刑務所に行くとは聞いたことが無い話。「起訴されて裁判をしても大多数が刑務所には行かない」と思っている人も、ざっくりとしたイメージで具体的な数字までは知らない人がほとんどでしょう。

そこで今日は「逮捕された人の何%が刑務所に行くのか」を調べてみました。


まずはこの図をご覧ください。

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(引用:平成26年度版犯罪白書)

ちょっと耳慣れない言葉ばかりだと思うので、上から順に説明していきます。

・「新規受理人員」…逮捕され検察で取り調べを受けた人数。
・「公判請求人員」…裁判をすることが決まった人数。
・「略式請求人員」…裁判はせずに罰金等で処罰されることが決まった人数。
・「不起訴人員」 …証拠不十分などで起訴されなかった人数。

ここで注目すべきは不起訴人員の多さでしょう。検察の基本スタンスは「確実に有罪にもっていける証拠が無い限り裁判にはさせない。(=起訴しない)」。そのため証言や客観的証拠が揃わない限り起訴しないんです。だからこそ確固たる証拠がない段階での逮捕には警察や検察の「自白させるテクニック」が重要となってくるわけです。

また、他にも多数が関わっている事件などでは本命を一気に追い詰めるため、そこまで深くは関わっていない周囲の関係者も一斉に逮捕するケースがあります。僕たちが起こした事件もそうでした。なので、「本命の周りを固めるためにとりあえず逮捕され取り調べを受けた人たち」も実は多く存在しているんです。

続けていきます。


・「有罪人員」…裁判もしくは略式起訴の結果、有罪判決を受けた人。そして、その中には以下の分類があります。
  ◯「死刑」   …死刑判決を受けた人。
  ◯「懲役・禁錮」…懲役もしくは禁錮の判決を受けた人。
  ◯「執行猶予」 …懲役もしくは禁錮のだが執行猶予つきの判決を受けた人。
  ◯「罰金」   …罰金の判決を受けた人。
  ◯「拘留・科料」…拘留は1日以上30日未満の服役。科料は1万円未満の罰金。

・「無罪人員」…裁判の結果、無罪判決を受けた人。

まずは無罪人員の少なさに目が行くかと。その数なんと「1,332,918人中8人」。約16万人に1人の割合です。「日本では起訴(裁判になれば)ほぼ100%有罪」というのは紛れもない事実であることが数字の上からも伺えます。テレビでたまに放映される「無罪判決」は途方もなく稀なケースというわけです。

次に今日の本題である「有罪判決を受けて即刑務所に行く人の割合」を見てみましょう。(ちなみに科料は省きます。)「入所受刑者」というのが有罪判決を受け刑務所に行くことになった人たちの数です。

逮捕されたのは、1,332,918人。
最終的に刑務所に行くことになったのは、22,755人。

割合すると「約59人に1人」。逮捕者全体の「1.7%」に留まる結果に。

こう見てみるとものすごく少なく感じますが「執行猶予中(=前科あり)」の人がその期間中に再犯をしてしまい刑務所に入ることを考えると、全くの初犯の場合はさらにこの数字が少なくなることが予想されます。感覚的にいえば100人に1人ぐらいになったとしてもあまり驚きはしません。

自分で調べていて社会の中でいかに「受刑者・元受刑者」が少数派なのかが改めて分かったような気がします。そりゃ周囲に見当たらないはずです。「逮捕されたことがある」と「刑務所に入ったことがある」では実は大きな隔たりがあるんですね…。


逮捕されない、というか悪いことをしないに越したことはありません。ただ、もしご自身や身近な人が逮捕されたときは、よほどの重犯罪もしくは再犯ではない限り「逮捕されても刑務所に行く確率は60人に1人ぐらいだから多分すぐ出てくるだろう。」と思って見守って上げてください。

それでは、この辺で。

けもの道をいこう。